気候系監視速報 ~気候系の診断情報~

 気象庁では、世界各地で起こった異常気象、それをもたらしたと考えられる大気大循環、海洋の状態等気候系を監視しています。これらの監視結果に基づき、月々の気候系の特徴をとりまとめた「気候系監視速報」を作成しています。
 なお、年間の異常気象・天候や気候系の特徴に関する総合的な情報は「気候変動監視レポート」をご覧ください。
※「気候系監視速報」は、2023年5月号(2023年6月発表)から気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)による大気循環場データ及び全球海面水温解析データ(COBE-SST2、MGDSST)に基づいて記述しています。

気候系の特徴(2025年4月)

  • 海面水温偏差は、太平洋赤道域の中部で負、西部と南米沖で正という3極構造が弱まりながらも持続した。NINO.3海域の基準値との差は+0.1℃だった。インド洋は広く正偏差となった。
  • 平年と比べた対流活動は、海洋大陸周辺で活発、インド洋西部で不活発となり、西・中部太平洋熱帯域では、南半球側で活発、北半球側で不活発だった。
  • 対流圏上層では、東南アジアとオーストラリアで南北半球対の高気圧性循環偏差が卓越し、対流圏下層では、ベンガル湾とオーストラリア北部に低気圧性循環偏差が見られた。
  • 500hPa高度では、3分裂した極渦の主体はバレンツ海で、北欧とオホーツク海では顕著な正偏差となった。中緯度は概ね正偏差だが、東アジアや北大西洋東部は弱い負偏差となった。
  • 東アジアの亜熱帯ジェット気流は、中国西部で平年より北、日本付近で平年より南に蛇行した。日本付近の海面気圧は負偏差となり、黄海~日本海が気圧の谷となった。
  • 日本の平均気温は、北・東・西日本で高く、沖縄・奄美で低かった。北日本日本海側と太平洋側では、日照時間がかなり少なく、1946年以降4月として1位及び1位タイの寡照となり、降水量はかなり多かった。西日本日本海側と太平洋側では降水量がかなり少なかった。

気候系監視速報


<過去分:2007年3月~2025年3月>

2011年5月号から2021年4月号までは、平年の期間を1981~2010年として記述しています。
2011年4月号までは、平年の期間を1979〜2004年として記述しています。
2014年1月号まではJRA-25/JCDASによる大気循環場データに基づいて記述しています。
2014年2月号から2023年4月号まではJRA-55による大気循環場データに基づいて記述しています。
2023年5月号からは気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)による大気循環場データに基づいて記述しています。


項目別の詳細情報

大気の循環・雪氷・海況図表類

2024年3月18日 「大気の循環・雪氷・海況図表類」について、気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)を用いた図表を、熱帯低気圧解析の品質が改善されたデータに基づくものに更新しました。外向き長波放射量(OLR)に基づく1991年以降のすべての図を、米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)より提供されたBlended OLRを用いたものに更新しました。
※外向き長波放射量(OLR)関連の図表や指数の値は、米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)によるデータの提供状況によっては、更新が遅れる場合や灰色で塗られた欠損表示となる場合があります。

関連情報

Adobe Reader

このサイトには、Adobe社Adobe Readerが必要なページがあります。
お持ちでない方は左のアイコンよりダウンロードをお願いいたします。

このページのトップへ

OSZAR »